更級日記 - オンライン読書
更級日記 - 24 かへる年正月の司召に
かへる年〔萬壽二年〕、正月(むつき)の司召に、親のよろこびすべき事ありしに、かひなき翌朝、おなじ心におもふべき人〔父の事を思ふ人〕の許より、「さりともと思ひつゝ、明くるを待ちける心もとなさ」といひて、
明くる待つ鐘のこゑにも夢さめて秋のもも夜のここちせしかな
といひたる返事に、
あかつきをなにに待ちけむ思ふ事なる〔鐘の鳴る、成就する〕とも聞かぬかねの音ゆゑ
更級日記 - 25 四月晦日がた